「LinuC2を攻略しよう! 」Q&A

「LinuC2を攻略しよう! 」イベント(10月22日(金)開催)では、たくさんの方にご参加を頂き、有難う御座いました。(参加者数:275名様)

当日のセミナー中に頂いた全部で12個のご質問(14個が記録されていましたが、そのうち同じ方の同じ質問が分割されていたものがあり、まとめると12個になりました)について、ライブでお答えした質問も含めて、頂いた全質問と回答を以下に掲載致します。


[ 質問と回答 ]

【1】KVMを使用する場合,CPUが対応している必要がある認識です。OracleBoxで,対応する仮想CPUを作成することって可能ですか ?
試してみたのですが,CPUが対応していないとエラーになります。

      (ライブ回答)
      「最近の約10年ほどに製造されたIntelプロセッサは仮想化支援機能をサポートしています。」⇒詳細な情報は「回答の補足」を参照してください。
       
      なお、KVMに必要な仮想化支援機能を利用するには、マシン起動時のBIOSあるいはUEFI(EFI)の設定画面で、仮想化支援機能(Intelの場合はIntel-VT)をオンにする必要があります。
       
      (回答の補足)
      Intelプロセッサの各プロセッサモデルの仮想化支援機能の有無の確認方法は以下のURLを参照してください。
      https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/support/articles/000005486/pro...
       
      BIOSあるいはUEFI(EFI)の設定画面を呼び出すには、マシンの電源投入時に「ファンクションキー(Fn)」と「F2キー」を同時に押す操作になっている場合が多いです。
      PCモデルによっては、他のファンクションキーを押す場合もあります。

 
【2】筆記問題は何問くらい出題されるのでしょうか?
あと、201と、202の難易度の違いはあるのでしょうか、また、201と202の、どちらから先に、受験した方がよろしいのでしょうか?

      (ライブ回答)
      あくまで我々が受験した際の経験談ですが、筆記問題数について決まった問題数ではないと思います。
      ただ、201、202ともに出題数60問のうち、10問未満であると思います。
      また、201、202の難易度ですが、あまり難易度に違いはないと思います。201、202の難易度はユーザの経験分野に依存します。
      ※参照:イベント時に使用した資料(ナレッジデザイン資料.pdfのスライドP11、P12)
       
      (回答の補足)
      以下、勉強法について追記します。

      ●Linuxを使うことの少ないユーザ:
      1. 本書の問題内容の理解
      2.コマンド/オプション/ファイル記述の暗記。
      ※出来れば、VirtualBoxなどにLinuxをインストールして、本書のコマンドを
      実行することで、理解が深まります。
      本番で出題される、類似問題に対しての推測力、対応力が付きます。

      ●日常的にLinuxを使っているユーザ:
      ※本書を読んで出題傾向を把握すれば合格できます。

      ●問題内容の理解:
      本書の問題内容を理解しておくことが最重要です。
      単なる暗記では、本番の試験で本書と問題文が異なったり、選択肢が異なったりした時に
      対応できません。

      ●コマンド、オプション、ファイル名/ファイルフォーマットの暗記
      日常業務において、201、202の出題範囲を満遍なく使っている人は、ほとんどいないと思います。
      普段使っていないコマンド、オプション、ファイル名/ファイルフォーマットについての、
      選択問題、あるいは記述問題に正解するためには、暗記は必須です。

【3】Linuc level1を取得してから期間が空いてしまいましたが、201の1章から読み進めればlevel2の範囲は網羅できますか?(もし復習するならlevel1のどのあたりの内容を抑えておけばいいですか?)

      (ライブ回答)
      日頃からLinuxを使用しているユーザであれば、201の1章から読み進めていただいて問題ないと思います。
      しかし、level1取得からLinuxを使用していないユーザであれば、level1取得時に使用した参考書を一読してからの方が良いと思います。

 
【4】Linuc-2 201において、systemdとGRUB2のみ問われるとのことですが、
例えばそれぞれをsysV-init、GRUBの機能と比較する様な問題もないということでしょうか?

      (ライブ回答)
      LinuC レベル2 v10の試験範囲( https://linuc.org/linuc2/range/201.html )ではSysV-init、GRUB1(GRUB-Legacy)は入っていません。
      弊社でも何度か受験しましたが、SysV-init、GRUB1(GRUB-Legacy)に関する問題はまったく出題されませんでした。
       
      (回答の補足)
      上記の通り、SysV-init、GRUB1(GRUB-Legacy)の機能と比較する様な問題も出題されません。

 
【5】主な仮想化ソフトウェアとしてKVM,Xen,VirtualBOXを紹介されていますが、用途によって向き不向きはあるのでしょうか。

      (ライブ回答)
      「例えば、Googleでは当初はXenが使われ、途中からKVMも導入されています。」
      ⇒ すみません、AmazonとGoogleを取り違えてしまいました。。
      以下の「回答の補足」が正しいので、こちらを参照してください。
       
      VirtualBOXは個人使用に適しています。(特にMS Windowsユーザ向けとして。WindowsではKVMが使えないので)
       
      (回答の補足)
      Amazonが提供するクラウドであるAWS(Amazon Web Services)では、ハイパーバイザーとしてXenが使われており、2017年からはKVMも導入されました。
       
      Googleが提供するクラウドであるGCP(Google Cloud Platform)では、ハイパーバイザーとしてKVMが使われています。

 
【6】素人質問で申し訳ありません。
Linuxと言えば、有名どころとして挙がるのが「CentOS」と「Ubuntu」だと思います。
今回の説明では実機での勉強の例として、CentOSを用いていましたが、
Linucを勉強するうえでは、CentOSが推奨されるのでしょうか。

      (ライブ回答)
      ディストリビューションのシェアや人気度では、ご質問の通り、「CentOS」と「Ubuntu」が主流だと思います。
      今回の説明では実機の環境としてCentOSを使用しましたが、Ubuntuで勉強して頂いてもOKです。
      CentOS と Ubuntuの内容の多くは重複するので、ご自分の業務や好みによってどちらで勉強して頂いても大丈夫です。
       
      (回答の補足)
      質問7の回答の補足2、質問10の回答と、質問12の回答も参考にしてください。
       
      ・ディストリビューションのシェアに関する参考URL:
      https://ubuntu.com/blog/ubuntu-becomes-number-one-os-for-openstack-deplo...
      https://w3techs.com/technologies/details/os-linux
      ・ディストリビューションの人気度に関する参考URL:
      https://distrowatch.com/dwres.php?resource=popularity

 
【7】CentOSの終了が報道されています。linucの推奨OSはどれに変わる予定なのでしょうか?

      (ライブ回答)
      ご質問の通り、CentOS 8は今年末でサポートが終了し、今後はCentOS Streamのみがリリースされます。
      それにともない、LinuCの推奨OSがどのようになるか、LPI-Japanに伺ってから回答致します。⇒ (回答の補足2)を参照してください。
       
      (回答の補足1)
      LinuC レベル2のほとんどの試験問題は主要なディストリビューションに共通な問題です。
      したがって、弊社としてはCentOS 8 がStream 8に代わっても、試験問題にはほとんど影響はないのではないかと推測しています。
       
      CentOS 8 とCentOS Stream 8の主な違いは以下となります。
      ・リリース方法の違い:Stream は各ソフトウェアがアップデートされると、その都度、CentOSプロジェクトの判断でリリースされます。このため数日間隔でリリースされることもあります。
      ・リポジトリの違い:CentOS 8 とCentOS Stream 8ではリポジトリが異なります。(当然ですが。。)
      ・パッケージは少し違う:パッケージの追加/削除があり、パッケージのバージョンが異なるものがあります。その違いは全体の約10%〜20%くらいです。
       
      (回答の補足2)
      LPI-Japanの「よくあるご質問」ページ( https://linuc.org/faq/ )では以下のように記載されています。
          Q. LinuCを学習する上で、どのようなディストリビューションを使って学習をしたら良いですか?
          A. LinuCは、ディストリビューションに中立な認定試験ですが、学習環境を構築する場合はCentOS7およびDebian GNU/Linuxを使用することをお勧めしています。

 
【8】貴社のスピードマスター問題集の他に、LinuCへの合格を目指す上でお勧めの書籍などありましたらご教示いただけないでしょうか。

      (回答)
      執筆した大竹も、校正を担当した山本も、実際に試験を何度か受験し、Linuxのオンラインマニュアルとソフトウェアの開発元のドキュメントを中心にして調べ、実機で検証した上で執筆しています。
      正直なところ、LinuC受験のために他の書籍を読んだことはありません。。(参考にちらっと目次を見る程度はありますが)

      したがって、他の受験対策書籍の内容は把握していないのですが、ネットで見た売れ行きやレビューでは以下の書籍が良いようです。
      https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798167961 「Linux教科書 LinuCレベル2 Version 10.0対応 」

      なお、以下は弊社が執筆した書籍です。Linux全般の参考書籍として自信を持ってお勧め致します。
      https://amzn.to/3b7NLN2 「CentOS 8/Stream パーフェクトガイド」
      https://amzn.to/3Edzc76 「本気で学ぶ Linux実践入門 サーバ運用のための業務レベル管理術」

【9】DNSとネットワーク系がさっぱり分からないのですが、おすすめの勉強法はありますか?

      (ライブ回答)
      確かに、DNSもネットワーク系も、本を読むだけではなかなか修得しにくいと思います。
      書籍などを参考に、実際に構築してみることをお勧めします。
      例えば、Oracle Virtual Boxをインストールし、その中に複数のネットワークを作成し、ネットワーク上に複数のホストを作成し、
      ホストのうちの1台をルータに設定して、プレゼンテーションPDF(p15~p17)で示したようにして実験するやりかたがあります。
       
      DNSは初めての方には理解するのが難しいトピックの1つだと思います。
      Virtual Boxの中にVMを1台作って、1台でサーバとクライアントの実験ができるので、この方法をお勧めします。
      本書の202 問題2-2の解説中のnamed.confの記述例、問題2-10の解説中のゾーンファイルの記述例をそのまま入力して実験することができます。
       
      (回答の補足)
      [ネットワークの構築実習]
      上記のネットワークの構築は初めての方にはかなり難しいので、まずはVirtual Boxの中に1つのネットワークと1つのホストを作成して、操作に慣れてからチャレンジしてみてください。
      プレゼンテーションPDF(p15~p17)で示したネットワーク構築の詳細な手順は、以下の書籍で山本が書いているので、よろしければ参考にしてください。
      https://amzn.to/3Edzc76 「本気で学ぶ Linux実践入門 サーバ運用のための業務レベル管理術」
      Appendix「仮想環境を構築する」の中の「KVMによる仮想環境の構築」、「VirtualBoxによる仮想環境の構築」
       
      [DNSの構築実習]
      DNSはドメインを階層型に構築するのが大きな特徴ですが、初めての方がいきなり階層型に構築するのは難しいので、
      まずは上記のように単一のドメイン(ゾーン)を構築し、digコマンドやhostコマンドでアクセスして、DNSの基本的な機能を把握して下さい。
      それができたら、次に階層構造の構築にチャレンジすると良いと思います。

 
【10】ネットワーク設定ファイルについて、RedHat系とDebian系は違いますが、試験は、どちらでしょうか。

      (回答)
      LinuC レベル2 v10の試験範囲( https://linuc.org/linuc2/range/201.html )では、以下のようになっています。
      ・RedHat系:/etc/sysconfig/network-scripts/
      ・Ubuntu/Debian系:/etc/network/
       
      本書の201 問題4-5の解説にそれぞれの設定ファイルについて説明しています。
       
      ただし、弊社で何度か受験した限りでは、ディストリビューションに依存したネットワーク設定ファイルの問題は出題されませんでした。
       

【11】LinuCのレベル3の、スピードマスターの書籍について、発売予定はないのでしょうか?

      (翔泳社から回答)
      申し訳ございませんが、弊社では今のところ予定はございません。
      弊社では、具体的な刊行予定のある書籍に関しては、ホームページの「近日刊行書籍」でご案内しております。
      https://www.shoeisha.co.jp/book/upcoming

      更にメールマガジン「Book News」でも刊行予定をご案内しております。
      このメールマガジンでは、新刊案内のほか、翔泳社の本に関連したお役立ち情報などをお知らせしております。
      次のURLで、メールマガジンを配信しているSHOEISHA iD(無料会員制度)にご登録いただけますので、ぜひご利用ください。
      https://www.shoeisha.co.jp/book/id

【12】こんばんは、試験はubuntu(Debian)が出ますか?

      (回答)
      LinuC レベル2 v10 試験では、ほとんどのLinuxディストリビューションに共通の問題が出題され、特定のディストリビューションに依存した問題はほとんど出題されませんが、
      Ubuntu/Debianに関しては、LinuC レベル2 v10の試験範囲( https://linuc.org/linuc2/range/201.html , https://linuc.org/linuc2/range/202.html )では、以下のようになっています。
       
      ・201:deb-pkg (2.01.4 Linuxカーネルのコンパイル)、/etc/network/ (2.03.3 ネットワークの問題解決)
      ・202:ufw (2.12.1 iptables や firewalld によるパケットフィルタリング)